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先輩の声

子育てとの両立①

助教(任期付)
水間 加奈子
Kanako Mizuma

  • 出身/岩手県・岩手医科大学
  • 専門分野/小児神経学 小児科学
  • 日本小児科学会(専門医)

助教
鳥谷 由貴子
Yukiko Toya

  • 出身/山形県・弘前大学
  • 専門分野/小児科学、新生児学
  • 日本新生児成育医学会(代議員)

Q. 2人のお子さんについて教えてください。

水間:うちは小学校6年生と1年生と4歳で、みんな女の子です。

鳥谷:うちは男の子が1人で、6歳ですね。

Q. 大まかな一日のスケジュールを教えてください。

水間:6時くらいに起床して、6時半〜7時ごろに朝ごはんを食べます。7時20分くらいに小学生が出ていくのでそれを見送って、7時40分くらいに下の子を保育園に連れて行って、8時半から働き始めます。だいたい午後6時過ぎくらいに自宅に着いたら、そこからご飯を作り7時くらいに食べ始めて、8時くらいにお風呂に入ってみんなも入れて、9時〜9時半の間に寝るという感じです。

Q. ほぼ全力疾走、という感じの1日ですね。

水間:そうですね(笑)。平日は夫の帰宅が7時半、早くても7時。お風呂は一緒に入れることはあるけれど、そんな感じですね。自分でできる子もいますが、それにしても毎日が一瞬で過ぎていきます(笑)。3人の子どもたちがそれぞれ関わり合っていろいろやっているので、すごく手がかかるわけでもないかなと。

Q. 鳥谷先生はいかがですか?

鳥谷:えっと、理想は、4時半から目覚ましをかけて…

水間:すごい!はやい!

鳥谷:かけて、起きたいんですが(笑)。自分が起きると息子も起きるので、何とか気付かれないように過ごして、起きられたら5時くらいから動き始めて、資料作りや発表ものの作成などを大体6時くらいまでやります。だいたいその間に「お母さーん!」と呼ばれるので連れてきてテレビを見させて、「お菓子!」とか言われるから、お菓子をあげて(笑)。

6時半くらいから朝ごはんを作り始めて、7時前から食べさせながら保育園の荷物を全部詰めて連絡帳を書いて、夫に「早く食べて!」って急かして(笑)、7時25分〜30分に家を出ます。8時過ぎくらいに病院の近くの保育園について、そこから息子が離れないのを何とか引き離して、ダッシュで病院に来て8時半。仕事を終えて病院を出るのが6時45分くらいで、保育園にお迎えに行きます。7時20分くらいに帰宅してから10分ほどでできる夕飯を作って食べさせて片付けして、息子の習いごとの宿題とかをやって、お風呂に9時ごろに入って、9時半に布団に入るのを目指そう!という流れです。

Q. それは、あくまで理想なんですね?

鳥谷:はい、理想です(笑)。大体は夜10時くらいになって一緒に力尽きて、また4時半を目指す…みたいな。

Q. 2人ともフルパワーで駆け抜けて1日が終わるような感じですね。

鳥谷:でも子ども3人に比べたら私は1人息子なので。水間先生はすごいなと思いますよ。

水間:でも3人いれば3人でやってくれたりするからね。1人だと「ママー!」って来るじゃない?

鳥谷:うん、お母さんにしか来ない(笑)。

水間:うちも3人が「ママー!」って来るけど、3人で遊んだりもするから隙間は見つけられるかな。

鳥谷:いや、尊敬します!本当に尊敬します!

Q. 大きくなると、きょうだい同士で面倒を見てくれたりもしますか?

水間:保育園は行かせれば終わりですけど、小学校は宿題のマル付けとかが入ってきますね。でもお姉ちゃんを見て下の子も準備とかは1人でやってくれるので、結構放置していますよ。たまに「大丈夫かな?忘れ物してないかな?」って思いますけど。それでも「行きたくない」って毎朝泣きながら(笑)。保育園児も泣いて離れないというのもありますね。

Q. 鳥谷先生は、息子さんに泣かれながら離れるのは大変じゃないですか?

鳥谷:泣かれます。保育園の前で30分かかることもあります。「絶対行かない!!」とか(笑)。あとは保育園から病院に行く道が見えるんですけど、そこから5秒おきくらいに「お母さーん」って声がして、「はいはーい!」って返事しながらちょっとずつ向かう…みたいな感じですね。

Q. 子育てのしやすさに関して、病院や医局の支援態勢についてはどう感じていますか?

水間:支援態勢は手厚いと思っています。

鳥谷:他科に比べると厚いかもしれないですね。

水間:分かってくれるというか。

鳥谷:と思います(笑)。他科の話を聞く限りでは、小児科だからお母さんの大事さを理解してもらえます。「やっぱりお母さんがいないと子どもは困るよね」ということで当直を少し免除してもらえたり、日直でも1人態勢だと子どもが発熱したら休まなければいけないので、「できる範囲でできることを」というスタンスでいてくれています。多分(笑)。

Q. 2人とも夫妻で医師なんでしょうか?

水間:うちは夫が歯科医師で、開業の歯科医院に勤めているので、夜中に呼ばれるなどの緊急性はそこまでないですね。

鳥谷:うちは内科医なので、全然帰ってこないです(笑)。土日も勝手に学会とか行ってしまいますね。なので基本的にはほとんどワンオペなんですが、それでも朝に洗濯物を干すこととかはやってくれます。

…って、あんまり言うと怒られちゃう(笑)。

水間:だね(笑)。

鳥谷:あとは夫が比較的得意な分野で、掃除、洗濯、水やり、ごみ捨て…。あっ、意外と結構やってもらってた(笑)。

Q. オフはどう過ごしているんでしょうか?

鳥谷:土曜日は働くので、基本的には保育園に行っています。日曜日に公園とかに連れて行って走り回らせて体力を奪うとか(笑)、そういう感じですね。多分、少なからず寂しい思いはしていると思います。

水間:うちは、平日にできる時間がないから、まず掃除をして…

鳥谷:えらい!すごい!

水間:できるだけやりますよ(笑)。あとは家族みんなで買い物に出かけたりですね。

鳥谷:えらい!

Q. 育てをしながらの仕事。頭も体もフル回転でやらなければいけないということを考えると、仕事をしながらの子育ての難しさや、逆にだからこその気づきなどはありますか?

水間:小児科なので、実際に自分も子育てをしながらというのはかなり強みになります。お母さんたちの気持ちも共感できるという部分でも大きいと思います。

鳥谷:「うちの子もそうでした」と言えるようになったかな。それまでは例えば育児指導の仕事でお母さんたちに話す時、本で読んだ知識を想像して伝えるしかなかったんですよね。実際の大変さが分からずに「泣いていたら飲ませましょうね」とか「抱っこしてあげましょうね」とか。今思うと「よく言えたな!」と思うこともあります(笑)。

水間:それはあるかもしれない(笑)。

鳥谷:今はお母さんたちの悩みが分かるようになったし、手を抜いても大丈夫なところとかも伝えられますね。なんか、経験を踏まえて実感のこもった話というか(笑)。

水間:手の抜き方とかは、たしかにそうかも(笑)。

鳥谷:「それくらいは全然大丈夫!」とか、言えるようになりました。

水間:あと今の若い世代の方たちは、男性でも結構子育てに参加している先生が多いですよね。

鳥谷:多いですね。うちの男性陣は全体的に保育園にお父さんが連れていくとか、やっていますよ。えらいんだよね。

水間:あとはずっと子育てだけをしているのもつらい時があるので、仕事に来て少しの時間切り替えて、子どもたちにまた接することができるのもある(笑)。

鳥谷:「また優しくできる」みたいな(笑)。そういうのは大事ですよね。

水間:仕事をせず育てている方も、それはすごいと思います。24時間見ているのも、本当に大変です。

鳥谷:ですよね。「お母さんって大変だな」というのがよく分かりました。世の中が求める「お母さん像」って、ずいぶん勝手なこと言ってません?(笑)

水間:本当にね(笑)。看護師さんもそうですし、何の仕事をしているお母さんも大変だと思いますよ。

鳥谷:医師に限らず、働いて育てるのは大変です。あとは母親としての立場と、医師として勉強しなければならない責務もあるので、バランスが難しいですね。やりたい勉強や期限のある仕事などを、家事育児と折り合いをつけることが難しい。仕事も育児も無責任なことはできないけど、1日があっという間に終わってしまうので、時間配分や体力もシンドいですね。朝の時間を取ろうにも息子は6時半まで寝ているわけではなく、起きてしまうと計画はすべて潰れてしまうので(笑)。病院に来ると臨床で日々の仕事は終わるので、自己研鑽的な部分をどうするか、努力が必要ですが模索中です。できる気がしないですけど…。

水間:私はまず、起きられない(笑)。どうしてもそんなに早く起きられない。

鳥谷:やっと起きたと思ったら、隣に子どもが「お母さん!」ってね。

水間:パソコンとかを開いた日には「何してんの!? 何してんの!?」って来るし(笑)。子どもが起きている間はちょっと無理だなあ…。

鳥谷:無理ですね。「テレビ見てるなー」と思っていると「お母さんこれ見て!」って、見るまで言われ続けたり。この兼ね合いは努力しないといけないと思います。

Q. 水間先生のご家庭では寝るのが9時半とおっしゃっていましたね。

水間:早寝早起きを頑張っています。

鳥谷:早寝させたい…。

水間:子どもを寝かしつけてからが、自分も起きられないですね。

鳥谷:できないですね。

水間:一度寝ちゃうと、もう寝ちゃうんです。

鳥谷:うちは寝かしつける方法が私の寝たフリなので、まあ、そのまま寝ますよね(笑)。母が寝ないと息子も寝ないので、寝たフリ攻撃はきついです。

Q. 今はそういった多忙な日々ですが、お子さんたちもいずれは自立していくでしょうし、それぞれに医師としての将来像などのイメージも持っていたりはしますか?

水間:まだ今は日々に追われて将来までは考えられないですね。想像がついていないです(笑)。

鳥谷:「何がやりたい」というよりは、「何がやれるか」です。どうしよう(笑)。ただ、育児を経験していることによって、働き方や考え方はすごく変わったと思います。出産前は小児科でも1、2を争う忙しい部署のNICUで働いていて、当時はほとんど病院に住んでいました。自分が見ている赤ちゃんのための人生だったんですが、出産して同じように働けなくなったとき、それまで「個人」として働いていたのが、周りの助けや協力があっての働き方を知ることができました。チームとして働くことを身をもって学び、周りが見えるようになった事が自分にとってすごく良かったと思います。

周りが見えるようになったことで、若い先生たちを見られるようにもなりました。皆と一緒に仲良く働けていけたらいいと思います。昔は出産後に医師を続けられない女性がいた時代もあったと思いますが、これから世の中は働き方改革が始まり、男の先生も子育てをしながら続けられるようになればいいですね。

水間:私はわりと早い段階で子どもが生まれたので、医師としての経験は同年代の半分くらいかなと思っています。確かに、出産がなければ現段階で経験できたことはいっぱいあるのかなとは思います。ですが、この医局に入って皆さんの協力があったから、スムーズに専門医を取れました。とてもたくさんの人の手を借りて、今の私がいるという感じがします。

鳥谷:「1人じゃダメなんだ」ということが本当に、子どもが生まれてからわかりました。

水間:借りられる手は借りる(笑)。大事ね。実家もフルに力を貸してもらっています。

鳥谷:私も同期が代わりに保育園のお迎えをしてくれたり、上司が見ていてくれたり…という協力を得て乗り越える日もあります。逆に、私が友だちの子どもをうちで見ていることもあります。

将来的なこととして一つ言うなら、若い女の先生が困っているとき、次は私が同じようにサポートしたいです。「一緒に夕飯食べさせるから任せて!」という感じで。「バリバリ働きたいけど子育てもしたい」という女医さんも多分これから増えると思うので、私や医局でサポートしたいですね。あとは医局で見てもらったりとか、どうですか?

水間:医局に連れてきたら、皆が相手してくれるし(笑)。

鳥谷:「ちょっとすみません、見ていてください!」っていって、仕事して戻って「よしよし」ってやって、また仕事して(笑)。そういう意味ではどうにかなりますよね。

水間:なるなる!今はサポート態勢が充実して、仕事と育児とを両立できる状況が整ってきているところだと思いますよ。遠慮せずに自分たちのタイミングでお子さんを持ってほしいと思うし、その時は助けたいですね。何かが起きたらみんなが協力してくれると思いますし。働き方も人それぞれですが、ここは多様性を認めてくれる医局だと思います。

鳥谷:子どもができて「えっ!?」みたいなことはないですね。素直に「おめでとう!」って言ってもらえると思います。

水間:うちの医局も今はすごくママさんが増えて、育てやすくなっているし。安心して出産・育児ができる環境だと思います。

Tagopedia

田子秘書が見た水間Dr. 鳥谷Dr.の
スゴイところ!

ママとして、そして医師として働かれている姿は本当に素敵でかっこよく尊敬しています。ママだからこそ共感できることや伝えられることがあると思うので、患者さんはとても心強いと思いますし、医局でも先輩ママとして仕事と家庭を両立する姿は、これからご結婚される先生方にとってもいろいろな面で支えになると思います。

そして水間先生、鳥谷先生のやわらかな素敵な笑顔にいつも助けられておりますし癒されています☆